- 2011年6月 1日 02:06
- 病害虫対策・アイディア
今月も真樹さんと一緒に、バラの家で毎週日曜日の午前10時からと、午後1時からひらかれている、「日曜バラ塾」に参加してきました。
てんちょさんが、無料でその月のバラの育て方などを説明しながら、いろんな疑問に答えてくれます。
本文一番上の「Tag:バラ塾」をクリックするか、右側の"Tag Cloud"のタグから「バラ塾」をクリックしていただいても、同じように過去のバラ塾の記事を見ることができます。
今月のテーマは「新苗の育て方」です。
人でいえば、大苗は20歳ぐらい。
もう、だいたい基本的な成長は終わって、そこからどういう大人いなっていうか!?の段階。
新苗は、3歳児ぐらい。
これからどういう環境でどんな風に育てられるかで、人生が決まってくる・・・?
そんな新苗をしっかり元気で大きないい子に育てるには、どうしたらいいのか。
その基本とコツを教えて頂きました。
新苗に大切なこと
新苗を大きく育てるために大切なこと。
- 苗を成長させるために、蕾は早めに取る!
- 根っこにとって気持ち良い環境で育ててあげる。
- とにかく葉を大切に。
根っこを育てることだけを考えて手入れをしてあげれば、花はいやでも咲くのだそうです。
花よりも葉、葉よりも根っこ。
シュートを出すにも、花を咲かせるにも、根っこありき。
今回のバラ塾でてんちょが最初に言ったのは、こんなことでした。
バラの花に人格を求めては駄目。
根っこが芸術化なら、葉は作品を作り上げるための道具。
あくまでも花は、花は根っこと葉が作り上げた芸術作品。by.てんちょ
今まで読んだどんな本より、どんなお話より、この言葉が一番私にはストンと腹に落ちました。
1.苗を成長させるために、蕾は早めに取る!
花は株の体力を使ってしまうので、成長のためには小さなうちに蕾をとってしまうのが基本。
でも、春の1回目は咲かせても良いそうです。
手に入れた新苗の品種を確かめる意味でも、自分の咲かせたい欲求を抑える意味でも。(笑
但し、花はなるべく早めに切って、切花としてお部屋の花瓶で楽しむこと。
2回目以降の開花は、我慢。
夏に向けて気温が上がり始めて花形や色も崩れてくるので、楽しめないのだそう。
「2.根っこにとって気持ち良い環境で育ててあげる。」にも通じるのですが、なによりも、夏をどれだけ体力を温存させて乗り越えるかが、今後の株の成長や秋の花にも影響してくるのだそうです。
だったら、お花は我慢して株を育てたほうが、株も大きくなってお花もきれいに咲いて、一石二鳥のお得感満載な秋を迎えられるということですね~♪
2.根っこにとって気持ち良い環境で育ててあげる。
一番よくある失敗は・・・
「夏越しに失敗して株が弱ってしまい、そのまま復活しきれずに秋の花が見れない。」
というものだそうです。
私も去年しっかりバレリーナでこれをやってしまいました・・・。(´・ω・`)
根っこを育てるポイント、根っこにとって気持ちよい環境は、夏にダメージを受けにくい環境をつくってあげることに繋がるようです。
夏のダメージを受けにくい環境・・・人間の夏バテとおなじ事でしょうか?
私、夏にはめっぽう弱いのですが、夏バテを乗り切る最大のポイントは、「体力」だったような気がします。
つまり、株が体力を温存して、夏を乗り切って秋を迎えられる環境・・・そう、根力を付ける!
・・・結局、根っこを育てないことには何も始まらないということですね。
てんちょさんが教えてくださった根の育て方は、つまるところ「根っこに対してドSになる」ということのようでした・・・。
根っこの性格を知る。
根っこが気持ちよい環境を作ってあげるためには、まずは根っこの性格を知らなくては!
根っこには、2つの役割があります。
水や肥料を吸う役割と、木を支える役割です。
木をしっかりと支えるために根っこは株の外側を支えようとする。
さらに、水や養分を求めてあちこちに根を張り巡らせる。
この習性を生かしてやることで、根っこの成長を促すことができるわけですね。
ひらぎ的に解釈したポイントは、根っこの性格は、「スペース」と「餌」に弱い!です。
根っこの性格を把握した「気持ちよい環境」とは、バラに向いた土と適度な大きさの鉢。
この2つのポイントをクリアしてあげる環境っていうことみたいです。
細かい乾湿の繰り返しで、ちょっと水が足りない・・・と思わせる。
根っこの「餌」である"水"を求める習性をつかって根っこをいっぱい育てるコツです。
植物の根っこは、バラに限らず、土の中に水分が無ければ水を求めて伸び続け、水をみつけたら吸収して、土が乾けばまた水を求めて伸びる修正があります。
常に乾いていれば根っこは乾いてしまうし、常に湿っていれば、根腐れをおこしてしまうので、適度な「乾」と「湿」の繰り返しが必要なわけですね。
つまり、「バラに向いた土」を選ぶポイントは、「乾湿の繰り返しをしやすいかどうか」です。
バラにむいた土・・・は、バラの家 培養土がぴったり♪だそうです。
水枯れがしにくい適度な保水性の良さ、空気を取り込める通気性の良さ、ジメジメしない排水性の良さ、微生物が住んでいてふかふかな生きた土ってことでしょうか。
ちょっと土・肥料が足りない・・・と思わせて、鉢増しをする。
鉢は大きければ良いというわけではないのだそうです。
無駄に大きな鉢は、「スペース」と「餌」が飽和状態になってしまうので、根を甘やかすだけ。
結局、根っこがだらけて伸びるのをやめてしまうのだそうです・・・・!
だからこそ、適度な大きさの鉢である必要があるのですね。
人間も植物も、アメとムチの使い方を間違えるとダメなんですねぇ・・・。
そのアメとムチの使い方が、「スペース」と「餌」。なわけです。
「餌」の水は、乾湿の繰り返しで。
もうひとつの「餌」の肥料と「スペース」である土は、鉢増しによって与えます。
てんちょさんの場合、新苗の鉢増しは、「1ヶ月単位で8号まで上げる。」のだそう。
新苗は、4号鉢でお迎えするので、6月に6号、7月に7号、8月に8号に鉢増し。
そして、10月の秋剪定の時期に大きくする場合は10号に鉢増し。
スペース的に難しければ8号のままで。
そして、冬の植替えの時期に根をほぐして、8号あるいは10号よりも小さな鉢に入るなぁー・・・というときは、あえて小さい鉢に植え込み、また春になったら鉢増しを繰り返してあげるのも効果的だそう。
鉢増しをするときは、外側をほぐす程度に留めます。
てんちょさんは、まったくほぐさずに鉢増ししてしまうそうです。
春の間、あえて根っこを伸ばすスペースを制限して我慢させてから鉢増することで、根っこは「餌」の肥料と「スペース」の土を求めて根っこがわっと伸びる。
そうやって、根っこを甘やかさずにちょっとドSなぐらいで育てることで、根力をつけさせるんですね。
地植えの場合
地植えの場合は、植え付けの段階で20~30cm高植えにしてあげます。
そのとき、盛り上げた土にはドーナツ状のくぼみをつくって、水を吸いやすくしてあげるのがコツだそうです。
後は、自分で好きに地中に根を伸ばすので、そのままに。
最初だけ土の量を制限してあげるイメージでしょうか。
新苗の鉢増しのしかた
基本の鉢増しの仕方と肥料・薬剤散布については、[ 新苗を育てよう 鉢植え編:バラの家 ]を参照しましょう。
私の下手な説明より写真をみながらのほうがわかりやすいですしね♪
てんちょさんは、8号あるいは10号までは、鉢底石などは入れないそうです。
但し、これは鉢底が通気性のよい設計になっているときだけ。
穴が少ないときはしっかりと鉢底石を入れましょう~
3.とにかく葉を大切に。
新苗の育て方のコツとしててんちょさんが語気と強めていらっしゃったのが、「とにかく1枚でも多く葉をつけておく」ということでした。
新苗の株を育てるコツなのですが、元気のない大苗にも応用できる方法だそうです。
3枚葉も、出開きも、全部が大切な葉っぱ。
1枚でも多く葉を無駄にしないために、ピンチも可能な限り葉は残します。
蕾や花を切り落とすときも、花首近くで切り落として葉は一切落とさないこと。
花芽がでてきたら、小豆程度に育ったタイミングで手でぷちっと蕾を取って葉は全部残します。
根っこが力を蓄えるために必要な、大切な大切な葉っぱ。
1枚も無駄にできません!
ベーサルシュートが伸びてきたときは、50cmぐらいに伸びた段階で、枝先をピンチします。
シュートの先につく花は、ぼってりとしていて不思議と良い花が付かないそうです。
剪定のポイント
秋の剪定は、てんちょの場合は9月15~25日ぐらいに行うそうです。
このタイミングで、株の全体2/3を残してカットします。
このとき、株が元気な時だけ細い枝などを軽く整理です。
元気がないときは、葉っぱをのこしておきたいのでそのままに。
それから、新苗でお迎えしたときからギュンッと伸びている1本のシュート。
これは、「次に生えてくるベーサルシュートの製造工場です。」とてんちょさんが言いました。
秋剪定の段階でベーサルシュートがしっかりと3~4本あがっていたら、秋の剪定のタイミングで、根元から剪定してしまいましょう。
6月の病害虫対策
また、ウドンコ病、黒星病、ハダニは、新苗の大切な葉を落としてしまうことになるので、予防がなにより大切。
てんちょさん曰く。
「病気は予防。虫は出てから対処です」
そして、基本的に、葉っぱを取るのはバラに任る!これが大事っぽいです。
虫や病気にやられてしまった葉。
混み合って光合成ができなくなった葉。
バラは、自分で必要に応じて葉を落とします。
なので、病害虫や春の強風で痛んだ葉も、モサモサしていて風通しが悪そうに見える葉も、バラが自分でいらないっと株元に落とすまで、我慢です!!
ここ数日のように、涼しくて雨が続く日は、ウドンコ病に要注意。
ウドンコまみれになった葉も光合成ができるそうなので葉を取らず残しておきましょう。
但し、ウドンコ病をつけたまま放置すれば、蔓延する原因にしかならないので、薬剤などでウドンコの進行がない状態を維持させること!
水でウドンコを弱らせて、乾いたところで薬剤スプレー。は、先月のバラ塾の通り。
予防薬はトリオキシンとサンヨールのミックスがオススメだそう。
ワンポイントアドバイス集
質問や余談などで出てきた、ちょっとした豆知識系をまとめました。
● シュートのあがり方には2タイプある。
樹勢の強いバラ:花がついていてもシュートがあがる
樹勢の弱いバラ:花を切らないとシュートがあがらない
● 出開き・ブラインドなどの芽の成長が止まるものは、根への供給が足りないと考える。
水か、空気か、栄養かは、その環境によってさまざま。
● 花がついても、1000倍などの薄めの肥料や遅効性肥料ならあげてOK。
いつでも、あげすぎはNG。
木を育てることを考えると、肥料はあげつづけたほうが良い!
花型が崩れるようなら、花の状態をみながら、肥料を加減してあげること。
バラ塾ムービー編
ZAZUさんが公開中のムービー、バラ塾の実践編です。
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