- 2011年6月26日 23:25
- 病害虫対策・アイディア
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バラ塾も、3ヶ月目。
毎月、その季節にあったバラのお手入れ方法をテーマに、毎週日曜日の午後13:00から開始されている、バラの家店長による日曜バラ塾の受講メモです!
今月のテーマは「大苗の開花後剪定とお手入れ」。
バラの品種・特性によって微妙に異なるお手入れ方法を教えていただきました。
開花後剪定のしかた
新苗は、先月の日曜バラ塾で教えていただいた通り、この春の開花は見送り。
心を鬼にして蕾をソフトピンチしていきますが、大苗は開花を楽しみ、次の開花を促し、夏越しの準備や秋の花を見据えた管理が必要になってくるタイミングが6月。
・・・なんだか、とっても重要な季節のお手入れのような気がします・・・。
芽の出始めと花の中間ぐらいが剪定位置
基本的に良く言われているのは「5枚葉の上でカット」なのですが、品種改良が進んでいる今日では5枚葉どころか7枚葉のバラも少なくありません。
てんちょさん曰く、葉の数とは関係なく、芽の出始めと花の中間ぐらいでカットするのが良いとのこと。
芽の出始めとは、冬の剪定位置から出たシュートの根元や、春のソフトピンチのあとに伸びたシュートの根元のこと。
左のきたない絵は、その図解です。
絵心のない私が書いたので、かなり汚い図です!
色々とツッコミどころも満載な枝や葉ですが、なんとなぁ~くの雰囲気を、これでつかんでもらえれば・・・嬉しいです。
上が基本的なバラで、下はツルバラの図解です。
ツルバラのほうは、花のタイプを2種類書いてみましたが、開花後の剪定は基本的に同じ。
ツルバラの場合は、ベースになるシュートから伸びた芽の出始めから花の中間ぐらいよりやや深めに切ってあげるのがオススメだそう。
やや深め?どういうこと?と思いますね。
わかりやすく、てんちょさんが説明してくださいました。
少し深めに剪定して、ボリュームある花を咲かせる
HT系などの大きくてボリュームのある花を咲かせる品種の場合は、真ん中よりも少し深めの位置で剪定してあげる。
芽が出るまでの時間は少し長くなりますが、太くて良い芽が出やすいので、ボリュームある良い花を咲かせやすい枝を育てることができるそうです。
少し浅めに剪定して、花数の多い花を咲かせる。
フロリバンダ系などの房咲きの花を咲かせる品種の場合は、真ん中よりも少し浅めの位置で剪定してあげる。
小さめの花は、開花にボリュームある花よりもエネルギーを消費しません。
浅めに剪定することで芽が出るのも早くなり、ポンポンと咲かせてあげられるのだそうです。
完全四季咲き系以外は、深めの剪定は避けて。
基本的には、花のタイプによって剪定位置を微調整してあげることはわかったのですが、花のタイプに限らず、四季咲き品種以外は、深めの剪定は避けて中間か浅めの剪定でコントロールするのが良いそうです。
深めに剪定すると、枝だけが伸びて、花が付かずに終わってしまうことがあるのだそうです。
開花後剪定するまえに、四季咲き性か、再確認が必要ですね。
内芽、外芽は、求める樹形に合わせて
よく聞くフレーズは「5枚葉の外芽」だと思うのですが。
(そんなことないよ、と言う人は、スルーしてください)
芽の位置は、自分がどんな株姿を求めているかによって選びます。
全体的に横広にボリュームを持った株に仕立てたいときは、積極的に外芽を選んで。
反対に、省スペースを!とコンパクトな株に仕立てたいときは、上手に内芽を選んで。
内芽と外芽を上手に選べば、枝と枝がぶつからないように枝向きをコントロールすることもできますね。
芽の向きを制するものは、美しい株姿も制する!・・・ことが出来たらいいなぁ。
なんて思うひらぎです。
蕾が沢山あるときの開花後剪定
房咲きだったり、花が咲いてる横から新しい蕾がついたり。
そんなときは、中間で剪定するのは勿体無いので、その時々のタイプにあわせて対応を変えます。
左の写真のような場合は、養分を分け合って花を咲かせるので、2つ目以降の花は1つ目の花より良い花は咲かないことのほうがおおいのだそう。
なので、てんちょさんは、蕾ごと落として、しまうそうです。
右の写真のような房咲き品種の場合は・・・
写真はすでに開花が終わってヒップができ初めてしまっていますが、1つめの花と、最後の花では長いときは半月ぐらい間が開くこともありますよね。
なので、終わってしまった花を花首で切るのが良いそうです。
また、基本的に花は花瓶で楽しむほうがオススメだそうです。
弱い品種の場合は、開花とその維持でエネルギーを消耗して株が弱ってしまうことも。
また、FG系のバラは、切りバラとしての性質が生きているので花持ちが良すぎて木に負担がかかりすぎてしまうこともあって、結果として株が弱ってしまう原因になることも。
そこで、株に負担をかけすぎないために、2分咲きくらいで切花にして、花瓶に生けて楽しみましょう。ということなのだそうです。
房咲きなど花首で切ったお花は、浅めの器に花を浮かべて楽しみましょう♪
3分咲きの判断が良くわからないときは、花びらが開き始めた頃を目安に。
ガクが花弁から離れていない蕾は、まだ咲く力をもっていないので、せっかく切花にしても開花せずに終わってしまうので注意です!
ガクが花弁からはなれて、蕾がふんわりと開き始めてから!です。
芽の上5mm~1cmの理由
一通り、剪定の大まかな位置について書きました。
気をつけたいのは、ハサミを入れる場所。
バラは、節ごとに葉が付き、葉の根元から芽が出ます。
カットするのは、この芽の上、5mm~1cmくらいの場所。
これは、てんちょさんの剪定後の枝。
5mm以下では、人間で言うところの深爪状態なのだそう(TωT)
じゃぁ、芽の上は長ければ長いほうがいいんじゃないの!?と思いたいところですがそれも間違い。
葉は、光合成をするだけでなく、根が吸った水を茎まで運ぶポンプの役目もしているのだそう。
葉っぱ1つ1つの根元までが、彼らの担当区域。
つまり、ポンプのある場所より上には、水を運ぶことができません。
1cm以上長くのこして剪定してしまうと、葉が吸い上げることができる場所より高い位置には水が届かないので、枝先が枯れてしまうことになるのですね。
剪定した枝先がちょこっとだけ枯れて萎れてしまうのは、剪定位置が高すぎるから!
それが原因で病気や枯れこみの原因になっては困るので、適度な場所で剪定する心がけを忘れないでおきたいですね。
夏を意識した鉢増し作業
「6号鉢の大苗で、夏越しは難しいです。」と、てんちょさんがキッパリおっしゃいました。
前回もチョロリと出ましたが、夏をどう乗り越えるかが、元気なバラを育てる最大のポイント。
夏のダメージをどれだけ受け流せる環境を整えてあげるかは、新苗も大苗も同じ。
そこで出てくる裏技(?)が、鉢増し作業。
本格的な夏を迎える前に、7号か8号に鉢増しをしましょう。
余談として、省スペースな鉢増しの方法を教えてくださいました。
ベラバラ(ベランダでバラを育てている人)族には大切なポイントです、省スペース。
それは、角鉢を間に入れる鉢増し方法。
バラの家 6号深鉢 → バラの家 7号角深鉢 → バラの家 8号深鉢
6号深鉢は、直径約18cm。
7号角深鉢は幅約18cm。
気づきましたか?6号鉢と7号鉢、必要スペースは一緒なのです。
丸鉢が、角鉢にぴったり収まるので、外角分の絶妙な鉢増しが可能なのですね!!
鉢増しはしたのに、スペースは変わらないなんて凄いです。
さすがに8号鉢はスペース拡大が必要ですね(笑
ちなみに。ロゼアポットの場合も、てんちょさんプロデュースの6号→7号のような画期的な省スペースは見込めませんが、スクエアを間に入れることで、細かい鉢増しが可能になりそうです!
ロゼアポット 300型 → ロゼアスクエア 330型 → ロゼアポット 380型 → ロゼアスクエア 390型
前回の新苗の育て方のときに、「土が多すぎるのは根を軟弱にする」とありましたから、細かい鉢増しは根にもスペースにも優しい!
これは、いろんな意味でecoですね(笑
バラが教えてくれる、鉢増しのタイミング。
- 下葉が黄色くなって落ちる
- 鉢に水分があるのに枝先がしなだれる
こんなバラの状態は、鉢増しのサインなのだそうです。
下葉が黄色くなって落ちるのは、株が疲れているから!
鉢増しをして、真黄色の葉は、光合成をしないので落として、緑と黄色の中間の葉は、バラの判断に任せてあげましょう。
鉢がまだ乾いていないのに枝先が萎れる時は、土の保水量が足りなかったりしていることがあるので、鉢ましをしてみましょう。
鉢増しのタイミングは、基本的にカレンダーや季節に準じることが多いですが、こういったバラの意思表示があったときは時期を気にせず鉢増ししてあげましょう。
どんなときも大切な基本。
季節やカレンダーよりもバラの生育具合に合わせること。
ツルバラの管理
てんちょ曰く。「基本的に、ツルバラは人間本位で考えてください!」
この時期にぐぐんと大きく育つベーサルシュートは次の冬の誘引まで上に伸ばして管理する方もいるそうですが、伸び始めのベーサルシュートはやわらかいので今のうちに誘引してしまってOKだそう。
この時、誘引のポイントは、覆いたいスペースに合わせて誘引すること。
また、へたくそな図解です。
左側のツルバラは、低い位置を覆うための誘引方法。
右側のツルバラは、高い位置を覆うための誘引方法。
どちらも、枝の性質を利用して覆いたい場所に合わせて誘引します。
低い位置を覆う誘引テクニック
下のほうにスペースが開いてしまっているなーと思ったときは、左側の誘引方法。
ベーサルシュートをぐぐぐっと地面近くまで下ろして、そのベーサルシュートから伸びてくるシュートを利用して埋めたいスペースを覆います。
フェンスの場合、このようにぐぐーっと横に渡して。(もっと下のほうでもOK)
伸びてきたシュートを写真左下のほうに誘引していくことでスペースを埋めていきます。
トレリスなどでも同じ。
真横に誘引すれば、全体的にシュートが出やすいので、でてきたシュートであいたスペースを埋めます。
高い位置を覆う誘引テクニック
高い位置で咲かせたいなぁ~と思ったときは、図解右側の誘引方法。
覆いたい方向に向けて誘引です。
基本的にベーサルシュートは、蕾が房で付く前に剪定してあげましょう。
頂芽優勢の性質を利用して、剪定した先から伸びる新しいベーサルを繋げて、繋げて、覆いたい部分に引っ張っていきます。
ある程度の高さになったら、低い位置を覆うテクニックと同じようにその位置で横に誘引してあげれば、サイドシュートを沢山伸ばしてくれる・・・ということでしょうか!
梅雨時期の薬剤散布
病害虫の予防は3月から始まります。
葉だけでなく、土や葉にも予防薬剤を散布してあげることで、発生率を抑えることができるそうです。
それでも、この時期の絶え間なく振り続けるシトシト雨では病害虫も発生しやすいので、早め早めの対策を。
まだ病気が見つかっていなくても、雨が降り続いているときに予防薬だけでなく治療薬を入れて対策をしておくと、まだ見つけていなかったり発生したばかりだったりする病害虫に早めの対策を打つことができて、蔓延を防ぐことができるそうです。
この時期最もおおいのは、黒星病。
黒星病の対策薬剤は、基本的にウドン粉に近いので、両方の対策と考えてもOKだそうです。
予防・治療薬どちらも、以前のバラ塾で教わった通り、薬剤のグループ毎でローテーション。
同じグループでローテーションしても、効果が期待できませんから要注意!
予防薬
- サンヨール、カスミンボルドー
- ビスダイセン、エムダイファー
- オーソサイド
- ダニコール
治療薬
- マネージ、サルバトーレ、パンチョ、トリフミン、サプロール
- トップジンM、ベンレート
治療薬はローテーションのパターンが少ないので、農協などで入手可能な、業務用薬剤をローテーションのラインナップに加えるのもオススメだそう。
- ストロビー
- フルピカ
この2種を投入すると、全部で4種類のローテーションを組めるので倍にレパートリーが増えます。
また、活力剤・無農薬系対策としては以下の2つを教えていただきました。
- ローズニーム
- アグリチンキ
ローズニームは、グリーンニームには入っていない「大豆レシチン」が入っているので、病気対策の効果も期待できるのだとか。
我が家では、ローズニームの使用期限1年が難しいのでグリーンニームを購入したのですが・・・
こういう違いがることをチェックしていませんでした・・・失敗!
もう少し使用期限が長いと使いきれるのですがー・・・なかなか難しいですね。
END...
ふぅ、長くなりましたが、大体今回のバラ塾はこんな感じでした。
7月のテーマは、「暑い夏の乗り超えテクニック」。
てんちょさんの予定で、7月の開講は3・24・31日だそうです。
また、開催時間が午前・午後の部と2つありましたが今後は午後の部13:00~のみになるそうです。
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