TOKYO FM開局40周年記念 夢の第九コンサート in 日本武道館(公式サイト)
日本武道館 アルトパート(2F 南西C列)
当日は、あっという間に終わってしまいました。
武道館の天上中央が、私には天の扉に見えました。
4時ぐらいからの直前練習と、本番。
直前の練習にも参加していない人がいたので、実質的には「ぶっつけ本番」でした。
参加者は、最終的に5000人となったそうです。
女性の参加率が圧倒的で、男性パートは空席が目立ちました。
リハを終えたあとの西本さんのコメントは「奇跡的に合ってました」。
完璧ではない部分もあったけれど・・・という言葉はあったものの、西本さんの予想を超えた結果を出すことができたようでした。
そして、何度も何度も出てきた言葉は、今でも印象に残る。
「野生的な勘で食いついてきてください」
野生的って言われるととても動物的なもの・・・しかも肉食獣っぽいものをイメージしてしまうひらぎですが、色々と考えをめぐらせてみれば、元々音楽が生まれた所以というのは、人の感情の深いところから生まれでたもののはず。
つまり、言い換えれば「魂の感じるまま歌え」ということなのかなと。
個人的にはそう解釈しています。
特に第九は魂の歌だから。
本番の結果は・・・・私にははっきりいってよくわかりません!
まだ録音したTokyoFMのMDを聴いていないので・・・。
でも、ラジオを聴いてくれていた相方の茉莉ちゃんや母上が言うところによれば「すごかった」とのこと。
演奏が終わったあとの西本さんへのインタビューでも、「奇跡的に合っていた」とのこと。
何度も何度も、奇跡的、こんなにできるとはというコメントを口にされていたので、ほっとしました。
Twitterでの沢山のTLも見ましたが、アマチュアの域を超えているという言葉や、これだけのクオリティのクラシックがラジオで聴けると思わなかったとの声があり・・・
そういうのを見て、初めてやれたのかな。という実感が沸いてきた感じです。
TokyoFMさんのTwitterでのTL画像、お借りしました。(クリックするとTwitPicへ移動します)
写真のアリーナ~1階席が客席。
2階席左側の黒い集団は男性パート、正面の白い集団がアルトパート、一番右側はパートに分かれず私服で参加できるカジュアル席です。
今回はTokyoFMの演出だったそうですが、演奏中はステージだけにスポットがあたり、合唱が始まる直前に照明がつき会場が明るくなり、演奏が終わったと同時にキャノン砲で金色のテープがステージ正面から5つ「パーン」という音ではじけて終わりました。
私、最後のこのパーンという音に「わぁっ」と歓声が上がる様子でスーッと冷めてしまいまして・・・
なんだか演出に騙されたような、切ない気持ちが湧き上がってきてしまったのでした。
ベートーベンのラストの演出だけでも十分迫力があって。
さらに最後の1音で終わって迎える余韻は、間違いなくベートーベンが狙っているもの。
天上の扉に手を伸ばして、やっとのことでその扉をくぐっていく様子を感じられるその余韻のタイミングを打ち消すようなキャノン砲の爆発音。
夢心地な気分の時に耳元で大きな音を立てられてハッと現実に戻されるような音!
「余計なことをしてくれた」という気持ちでいっぱいになってしまって、正直なところ、達成感を感じる間もなく冷めたというのが本音です。
この演出をうまい!とほめていらっしゃる方もいます。
感じ方は人それぞれあるのですね!(*'▽'*)
とはいえ、その後の西本さんのインタビューを聴いていて、どれほど充実した時間を過ごせたかを実感することができて、結果的には大満足な1日となりました。
アナウンサーの話によれば、演奏の後とカーテンコールに答えた後、ステージを降りて袖口に入る度に、西本さんはペットボトルを1本ゴキュゴキュゴキューーーーと飲み干していたのだとか。
そして、興奮冷めやらぬといった様子でステージにあがり、インタビューに答え、「興奮しすぎて、これ・・・指揮棒持ったまま来ちゃいました・・・(照)」と手元の指揮棒を上げてみたり、「西本さんは武道館での演奏は始めてとのことですがどうでしたか?」というアナウンサーの質問に「いや、大抵の人が始めてだと思うんですけど(笑)」と答える西本さんは、いつもよりちょっと興奮気味に見えました。
でも、演奏中の指揮姿は、小さなコンサートホールで見るときも、大きなコンサートで見るときも、いつも同じで、今回の武道館も例に漏れず・・・といった感じで。
オケ1つを指揮する姿も、5000人を指揮する姿も、いつもどおり。
明快でハッキリとしたわかりやすい指揮。
体で音を鳴らすような指揮。
普段のコンサートのオーケストラ規模では、西本さんの指揮の音には足りない感じを受けていた私としては、これぐらい大規模でないと、西本さんの指揮を音として表現するには良いんじゃないかと思わずにはいられません。
遅くなりましたが、12月21日に武道館での第九!武道館で聴いて下さった皆様、ラジオで聴いて下さった皆様、合唱で参加された皆様、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
これまで第九で共演した合唱団も参加して下さり核になってくれていたのですが、今回のステージは個人参加が殆んどで、ここまでアンサンブルが上手くいくとは(+o+) 皆さんのお一人お一人の努力と勘所の調和だと思います。(^-^)
そして人間の声って本当に素晴らしい!
いえいえ、個人を全体としてまとめ上げたのは、まちがいなく西本さんの人徳と魅力と、その素晴らしく凛々しい指揮のおかげです。
まさに、お互いがあってこその"調和"ですね。
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Comments:2
- 芙蓉 2010年12月24日 20:28
- こんにちは。 文章からひらぎさんの興奮も伝わりました。 素敵な時間だったのですね。羨ましいかぎりです。 だからきっとキャノン砲は、ひらぎさん他多数(多分)の人たちが、 此岸に帰ってくるのに必要だったのですよ(笑)! ところで。 この文章がとても素敵だな~と思ったのです…。 「「野生的な勘で食いついてきてください」 野生的って言われるととても動物的なもの・・・ しかも肉食獣っぽいものをイメージしてしまうひらぎですが、 色々と考えをめぐらせてみれば、元々音楽が生まれた所以というのは、 人の感情の深いところから生まれでたもののはず。 つまり、言い換えれば「魂の感じるまま歌え」ということなのかなと。」 西本さんはよく「感性で聞いてください」と言ってあるので、 「感性で歌う」ということだったのですかね…?
- ひらぎ 2010年12月25日 20:54
- 芙蓉さん いつもコメントありがとうございます(*'▽'*) ステキな時間、過ごすことができました。 でも、まだ怖くて録音しておいたMDは聴けていません。(笑 > キャノン砲は、ひらぎさん他多数(多分)の人たちが、此岸に帰ってくるのに必要だったのですよ(笑)! あああぁぁぁ、確かにその通りです。 あれがなければ、神様の元に本当に召されていたかもしれません!! > この文章がとても素敵だな~と思ったのです…。 私のつたない文章を、しっかり読んで、さらにこんなステキな感想までくださって・・・ 本当にありがとうございます。 「感性で聞いてください」と「野生的な感」は同じかもしれませんね(*'▽'*) ひらぎも、感性で歌う。ということだったのだろうな。と思います。 その曲の作曲者のこと、時代背景、作曲に関するエピソード、演奏の技法、奏者 の背景。 知っておいたほうが楽しめることは沢山ありますが どうしてもひらぎはその日の感受性に任せて聴いてしまうところがあるのですが 今回の第九で、背景その他もろもろを知ったうえで、感性のままに聴く。という楽しみ方を覚えました。 今までサボっていた勉強を、今からやり直そうと思います。(笑