大和証券グループpresents
西本智実 指揮「宿命~ロミオとジュリエット~」(演奏会形式 字幕付)
すみだトリフォニーホール(1階22列)
行ってきました!ロミジュリ!(*'▽'*)
宝塚 星組のロミジュリは観れなかったから、こちらは普段より2倍喜び勇んで開場へ向かいました。
今回のコンサートは、芸術監督として西本さんが自ら監修する演奏会形式です。
このコンサート、とてもすばらしい試みだと思います!
と、いうのは、指揮者である西本さんの経歴に関係があります。
西本さんは、幼い頃はピアノとクラシックバレエを習っていた方。
さらには、"チャイコフスキー記念財団・ロシア交響楽団の芸術監督兼任首席指揮者"や"ムソルグスキー=ミハイロフスキー記念サンクトペテルブルク国立アカデミックオペラバレエ劇場の首席客演指揮者"などの経験を持っています。
今回の公演内容は、「自分の畑」といっても過言ではないはず・・・。
その西本さんが提案する、「新しい音楽の聴きかた」がこの公演で表現されているわけです。
そのためか、オケの聴覚的な仕掛け以外にも、視覚的な仕掛けが様々!
合唱付きのコンサートの際に電光掲示板をつかって歌詞を表示させていましたが・・・今回はその掲示板に、シェイクスピアの戯曲とプロコフィエフが作曲した当時の台本を参考にした字幕が表示され。
更に、オケの後ろに作られた小さな舞台の上で、パレエダンサーたちが音楽と構成に合わせたマイム(芝居)のパフォーマンスがありました。
加えて、照明効果が取り入れられ・・・・
公演中は、映画を観ているような、舞台を見ているような、絵画を見ているような、不思議な世界に舞い込んだ気分になってしまいました。
特に身をもって感じたのは、音楽が持つストーリー性。
実際、頭にイメージして聴くよりも、視覚で訴えてくるものがあるとよりイメージが強くなりますね。
きっと作者の頭には、この目で見ているよりもっと壮大でリアルな情景がイメージされていたのだろうと思います。
その想像力、少しでいいから分けてほしい!!!!
今回、TBSの公式サイトに掲載されていた西本さんのメッセージにはこうありました。
(サイトは閉鎖されたためリンクをしていません。)
演奏会形式のオペラ演出は今や沢山上演されていますが、演奏会形式のバレエは今まで殆どありません。
理由はバレエでは言葉を用いず、身体表現のみでストーリーを展開していきますが、やはり見せ場も必要ですから、時にアクロバティックな技の見せ場が用意されています。
そういった時の音楽は表現が控え目であったり、リズミカルないわゆる伴奏的な曲に作られる事が多かったのですが、かのチャイコフスキーによってバレエ音楽の歴史が塗り替えられていきます。『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』いわゆる三大バレエで大きな進化を遂げたバレエ音楽はその後、プロコフィエフ、ストラヴィンスキーへと受け継がれていきました。
プロコフィエフ作曲『ロメオとジュリエット』は、実は作曲家自身が演奏会形式バレエのスタイルを残してくれており、現在ではリトアニア国立歌劇場がレパートリーとして残してくれていますが、今では世界でも滅多に上演されない形式です。今回私が指揮します『ロミオとジュリエット』では、この演奏会形式を元に演出し直した、新しい形のコンサートでありバレエであり舞台です。
コンサートホールの利点を生かし、ステージにオーケストラが乗り、ステージ奥にアクティングスペースを作り、そこでバレエダンサーが踊りというより無言劇を演じ、照明を作り、シェークスピアの戯曲の日本語訳を最小限使った字幕を出します。
プロコフィエフの音楽が如何に素晴らしい言葉であるかを再認識するきっかけになればという想いと、皆様に「観る」「聴く」舞台を届けたいと熱望しています!指揮/芸術監督 西本智実
バレエについては、ほとんど知識がなくてコメントが難しいところなのですが・・・
マイム中心なので、一般的に知られているバレエのダンスシーンはほとんどありません。
さらに、静かにポーズをとるシーンが目立つのですが、この瞬間の体のラインといい、全体の雰囲気といい、まるで絵画の1枚のように見えるのです。
スポットライトの陰影がさらにその雰囲気を強めて、とっても幻想的でした。
得にエピローグ・・・ロミオがジュリエットの元に到着して、自害するシーンから、ジュリエットが目を覚まして悲しみ狂い後を追って自害するシーンは、字幕もなく、マイムとオケの音だけで繰り広げられていったのですが、物凄い迫力でした。
小さな動きの中に、悲しみとか絶望とか葛藤とか、そういう感情を感じられて・・・
オケだけの演奏会を聴いていても、西本さんってオケの壮大な世界でも時々物足りない感じだなぁ、もっと壮大な感じだなぁと思っていたのですが・・・
(否定的な意味ではなく、もっとでっかいことができそうだなぁという意味です)
今後、こういう実験的挑戦をしていくうちに、その壮大な何かに行き着くのでしょうか。
なんだか色々刺激をもらってしまったので、ロミオとジュリエットの物語もおさらいしてみようと思います♪
▼出演
指揮:西本智実
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団ロミオ:法村圭緒
ジュリエット:中村美佳
ほか
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Comments:2
- 芙蓉 2010年10月20日 20:37
- こんにちは。 連投すみません。 書きづらい、わけではなく(笑) 感じたことを表現する言葉を探しておりました。 > 静かにポーズをとるシーンが目立つのですが、この瞬間の体のラインといい、全体の雰囲気といい、まるで絵画の1枚のように見える というのが、「写真を趣味にする人の感覚だなぁ」と私は思ったのです。 「シーンを切り取る」という感覚を自分が持っていないので、この感覚があれば、もっと自分の中で強く印象に残るのではないか…と。 (そうしたら、もっとお得感があるかな(笑)と) 壮大な何か…音楽の持つイメージの豊かさとか表現の多色さとか、そういったものを感じることができたら、もっと楽しいのかもしれませんね…。 西本さんがこういったミニオペラのようなコンサートを続けていってくれたら、私のような裾野の人間もクラシックの楽しさを感じることができないかと、期待しています。
- ひらぎ 2010年10月21日 15:41
- 芙蓉さま 沢山コメントくださってありがとうございます♪ なるほど! 確かに、言われて初めて気づきましたが、 絵画や写真を観ているからこそ、そう思ったのかもしれませんね。 この公演を思い出すと、音楽は確かに脳裏に浮かぶのですが、 全体的に、情景が静止画になってしまっています。 西本さんの指揮姿も、この日の記憶に限っては静止画です。 これがお得感かどうかはわかりませんが・・・(笑 そのシーンを切り取って記憶してしまったと言っても良いかもしれません。 勝手な妄想でしかないのですが、 実際にオケから聴こえてくる音よりも、 もっと壮大なオーケストラが西本さんの頭の中では鳴り響いているのではないかという気がしてしまうのです。 そして、その音を聴きたくて聴きたくて。 完全な妄想大暴走でお恥ずかしいのですが!(笑 今回の試みは、本当に面白かったですよね。 私も、バレエに興味を惹かれています。 本当に、「今後も色々と企画モノに挑戦していただきたい!」(それを観たい!)という期待が高まりますね!