西本智実 with リトアニア国立交響楽団
ピアノ:タマラ・ステファノヴィチ
サントリーホール 大ホール (1階11列)
1月以来、約5ヶ月ぶりの、久しぶりな西本さんのコンサート。
なるべく開催されるコンサートは全て足を運びたいと思っているのですが・・・
お財布的事情や、仕事的事情や、あれこれがめぐって、この頻度です。
今回も、前回同様の全国ツアーです。
このツアー、西本智実 World Collaboration 2010年というくくりで紹介されています。
内側のこと、裏の事情なんてことは、わかりませんが(あえて見ないようにもしていますが)、不思議なブランディングで、いろんな意味で気になります。
今回のタマラさんとのプログラムは・・・
ロストロポーヴィチも愛したバルト三国の名門オケ
昨年のプロムスで大喝采を浴びた実力派ピアニストと競演!
という、Samon Promotionさんのキャッチです。
元・ピアニスト(素人)としては、かなりの不勉強っぷりで!
オケについても、ソリストについても、知識は殆ど皆無です。
"プレイヤー"への思い入れで曲を聴くことのほうが多いですが、ことクラシックに限っては、なぜか"音"や"体感"への思い入れで聴くことが多いので、世間的脚光は、あまり興味がないとも言えます。
・・・とはいえ、そのおかげで、「"音"や"体感"への思い入れ」でお気に入りになる奏者も驚くほど少ないのでそろそろ色んな人の音を聴いて見ようと思います。(反省中)
さて、話が脱線しましたので戻します。
今回のコンサート、一番の期待はラヴェルのボレロです。
いつだったかのお正月。
ちょうど12/31から1/1への日付変更の後に地元の神社に初詣に行ってきた後、何気なくテレビのチャンネルを回したら放送されていた、西本さんのコンサート。
何故かは分からないけど、西本さんは指揮棒を使っていない手振りの指揮。
演奏されていたのは、ボレロ。
この時の演奏に引き込まれて、そのまま、西本さんの音に"引き込まれた"のでした。
それから、あれこれ調べて・・・・今こんな具合です(笑
断言できます!「西本さんのボレロに惚れて、今に至る」と!
その、ボレロが、演奏されると分かった時の嬉しさといったら!!!
お財布に相談する間もなくチケットを取ってしまいました(笑
「あ~西本さんの指揮で、ラフマニノフのピアノコンチェルトを聴いてみたいな・・・」とTwitterでつぶやいた直後に発覚した、前回のあのコンサートに引き続くこのボレロ。
なんのご褒美なのかと神様に問いただしたいぐらいの喜びです。
そんなわけで、いつにも増して、ウキウキの今回でした!!
今回のお買物です。
コンサートのパンフレットは、ものすごいデザイン。こんなパンフレット、初めてです!
それから、会場で最近発売したCD!
このコンサートでお供をお願いしたのは、高校からの友人・美賀ちゃん。
基本的に地元を出ない彼女に「たまにはおしゃれして、六本木に遊びに行きませんか」と口説き落とし(笑)、彼女のおしゃれ用ワンピースを買いに出かけ、当日を迎えました。
ひらぎは、興味があるけど敷居が高くて・・・とこぼす人に一緒に行かないかと声をかけています。
「いつもと違うお洒落をして、遊びに行こう」と誘います。
クラシックコンサートは初体験の彼女。
そして、文字通り「クラシック」に敷居の高さを感じていた1人です。
その彼女が、1曲目が終わった後「すごい!鳥肌たった!!!!」と興奮した笑顔を見たときには、心底ほっとしました。
更に、座った席は、ピアニストへの目配せの延長線上の絶妙な場所。
目が合ったかも!?なんて期待してしまう流し目目線の先でした。
その西本さんの眼差しや、指揮姿にも、しっかり惚れこんでしまったようで、今後のコンサートも行く!と言い始めたのは、本当に予想外で、ものすご~く嬉しい展開でした。
どんなカタチであれ、自分が大好きなものを、その人なりのカタチで好きになってもらえるのは嬉しいですから(*'▽'*)
肝心のコンサートの中身はというと・・・。
基本的に今回は既に発売されているCDからの曲が多くて、CDと生音の違いを心から楽しんだというのが、ひらぎの正直な感想です。
2曲目のタマラさんとのピアノコンチェルトでは、ピアノにぶつかって指揮棒落下。
そこからの手振りでの指揮は、本当に綺麗です。
以前のマーラーでも、何かの拍子に指揮棒が落ちた時も同じでしたが、今回も同様、指揮棒が落ちたことをキッカケにオケやこちら側の緊張感も上がるのか、必ず、音が変わる。
この音が、凄い・・・言葉には表せません。
後編は、本当に「魅せられた」と思います。
目でも、耳でも、クラシックを存分に楽しませてもらえた気がします。
既に、何箇所かでコンサートを済ませているツアーだからこそなのか。
座った席がいいところで音的にも良かったからなのか。
いろんな要素がかけ合わさってのことだと思うのですが、完成度が高かったと感じました。
そして、相変わらず明快な指揮と踊るような指揮姿や、オケ全体の動き1つ1つが、見ていて本当に楽しい!
展覧会の絵のときは、西本さんとオケの姿が2倍ぐらい大きくなったような気がしました。
西本さんの背中からぶわーっとエネルギーが羽のように広がるようなイメージ。
(存在感と言ったほうが適切なのかな。)
オケと開場が1つになったなぁと感じたとき、西本さんのほうに目を移すと、いつも西本さんはオケと一緒に歌っているのです。
オケと一緒に、体全体で音楽を奏でているみたいに見えて、それを見ると嬉しくなります。
指揮しているだけで十分に音楽を生み出しているのに、そこにさらに入り込むものがあるような。
言葉には魂が宿るといい、言霊と呼びますが。
それは言葉に感情が入って初めて起こるとひらぎは思っています。
音楽の音も、それと同じで感情が入って初めて魂の入る音になるとも考えています。
その瞬間を目で見れたような気がした・・・という感じでしょうか。
ここまでそれを実感したのは、今までのコンサートで一番かも。
目でも、耳で音を楽しむ・・・こういう経験はやっぱり会場に来ないとできませんね~。
そして!忘れてはいけないのがボレロ!!!
本当に、心揺さぶれるボレロでした・・・言葉にできません。
何度も何度も聞いたCDのボレロをはるかに超える、リアルで、迫力のボレロ。
緊張感のある静寂から始まる繊細な冒頭から、どんどん緻密に積み重ねて力強く(でも繊細なまま)作り上げられていって、完成されるプロセスはいまだに耳に残っています。
はぁ・・・もう一度聴きたいです。
西本智実 with リトアニア国立交響楽団
ピアノ:タマラ・ステファノヴィチ
- ヴェルディ:歌劇『運命の力』より 序曲
Giuseppe Fortunino Francesco Verdi : Sinfonia from "La forza del destino"- シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
Robert Alexander Schumann : Piano Concerto in A minor, op.54Encore
- ショパン:マズルカ15番
- ドビュッシー:8指のためのエチュード
- ムソグルスキー:ラヴェル編曲 組曲『展覧会の絵』
Modest Petrovich Musorgsky : "Pictures at an Exhibition" orchestrated by Ravel- ラヴェル:ボレロ
Joseph Maurice Ravel : Bolero
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